ショッピング枠現金化を聞いた時
わたしが大学四年の時、実家を手放さなければならなくなった。
寝耳に水で、何かを言っても、既に遅かった。
わたしは、三人兄弟の末っ子で育ち、家の問題にも関わる経験は、
ほとんどなかった。
自分から主張しないと誰も振り向かない。
こういう信念を持っているが、それは、家庭環境の影響も確かにある。
先の実家を手放さなければいけなくなった、と聞いた時、わたしの脳裏には、
ショッピング枠現金化の言葉が浮かんだ。勉強していないとは言え、まがりなりにも、
法学部の学生だった。少しは、ショッピング枠 現金化の中身を知っている。
第一声を今でも忘れていない。
「弁護士とかに相談すればよかったのに」
母が苦笑しながら言った。
「そんなお金もないのよ」
相談だけなら無料のところもある。その頃だって、役所に相談窓口はあった。
わたしは、それ以上言いたくなくなった。
寝耳に水のニュースを受けてから約半年後、わたしは、一人暮らしを始めた。
しかも、半年の留年もし、2浪して大学に入ったため、人よりさらに遅れた。
しかし、不思議と後悔はしていない。
もし留年していなかったら、学生の身分を利用して、部屋を借りることは、
不可能だった。
寂しさは、時間とともに消える。
今では、実家のショッピング枠現金化も、自分史のひとコマにしか過ぎない。